ヌプツェをバックにダウンヒル、標高5100m
           
                                                             
ヒマラヤをマウンテンバイク!
マウンテンバイクのトレイル探しにはまっている僕はインターネットで世界の山を探していた。ネパールのマウンテンバイクツアー会社、ナビョ・ネパールがヒマラヤのトレッキングルートをマウンテンバイクで走るツアーを募集していた。メールで問い合わせると“エヴェレストはチャレンジングだがすばらしい。ぜひ来てほしい。一人だとツアーを組むのは難しいが情報は提供するよ”とうれしい返事をもらった。こりゃいくしかない。雨期に入る前の5月後半を狙って、ネパールに旅立った

 
                                             
    プロペラ機のコックピット。いよいよ着陸                
                                             
                                                                   
                       
ヘルメット初体験(でも逆よそれ)
                     
     
             
ルクラの通りをライディング
バイクに集まってきた村人 
       
異次元空間(1日目)
エヴェレストのトレッキングルートの始点であるルクラへは首都カトマンズから飛行機で東に40分ほどだ。標高2800メートルのルクラに降り立つとカトマンズとは空気がまったく変わり、ひんやりとしている。早速バイクを組み立てていると10人ほどの村人に囲まれた。どうやら自転車自体珍しいようだった。
いよいよ出発だ。はじめはしばらくゆるい下りだった。トレイルを行くシェルパ人たちに‘ナマステ!’と挨拶すると元気に‘ナマステ!’と返ってくる。ひたすらのどかな景色の中で軽いトランス状態になっているのが自分でよくわかる。途中出会ったチベット仏教の小僧たちが僕のバイクに乗ろうとしてバイクと格闘していた。ドゥドコシ沿いをアップダウンを繰り返してさかのぼり、高原のペンション村のようなパグディングのロッジで一泊する。
 
       
小僧たちがバイクに群がる(みな大爆笑してる)
   
 
チュマワへのつり橋(最高に気持ちいい)    
子供がついてくる。乗ってるのは学校の先生
   
チュマワの子供。自転車練習中。
   
シェルパ人(2日目)
ナビョのアドバイスに従って、ナムチェまでの急坂はポーターを雇った。パグディングで出会ったシェルパ人とナムチェまで500ルピー(約750円)でバイクを運んでもらう契約を結んだ。毎日50Kg以上の荷を運ぶ彼にとってバイクはなんともないらしい。シェルパスタイルで、額にストラップをあて持ち上げると‘オー、べリーライト!’といい早速歩き出した。
           
シェルパのもうひとつの足 荷を置いて休むシェルパたち。荷は50Kg以上あり一度おろしたら持ち上げるのに一苦労だ
ドゥドコシ沿いをさかのぼり大きなつり橋を渡ると、急な上りが始まる。これはナビョの言ったとおりライディングどころか担いであがるのも難しそうだ。標高はまだ3000mほどだがかなり息があがる。15分ほど上っては休みを繰り返してゆっくりいく。ポーターの彼は額に汗を浮かべながらも、笑顔で‘ビスターリ、ビスターリ’(ゆっくり)と僕を励ましてくれる。パグディングから800mほど高度を上げて標高3440mのシェルパ人の町ナムチェにたどり着いた。少し高台に上って町全体を見渡してみると、クンブ渓谷の中に大都市が浮かんでいるようだ。
 
 
空中劇場のようなナムチェ タルチョー(祈祷旗)はいたるところに アマダブラムに向かって走る  
   
  ヤクのイヤリング  
 
シングルトラックを快走(3日目・4日目)
 高山病予防で標高に体を慣らすためにナムチェで一日過ごしたあと、ティンボチェに向かう。崖の脇を通るシングルトラックが続く。バイクで走るのにちょうどよいアップダウンの繰り返しで気持ちいい。行く先にはとんがった形が印象的なアマダブラム峰が見えてすばらしい眺め。そんなトレイルを4Kmほど楽しめる。一度ドゥドコシ川まで下りきって急坂を上らなくてはならない。しばらく押しと担ぎが続き大きなゴンパのあるティンボチェに到着。

幻想のディンボチェ(5日目・6日目)   
 ティンボチェをでると森の中を駆け下りていくシングルトラックだ。森を抜けると激流にかかる橋を渡る。流されたらガンジス川まで流されそうな勢いだ。パンボチェを過ぎオショーの平原にでる。これまでの険しい山道から一気に視界が開け、しかもゆるいのぼりだからバイクに乗っているのが楽しい。だんだんと低木の高山植物が増えてきて、厳しい気候の場所であることを思い出させてくれる。ひと時の安らぎだった平原をすぎ、しばらく上るとディンボチェの集落に着いた。
 ここでまた高度順化に一日使う。もうここは標高4340mあるので気がつくと呼吸が速くなっているのがわかる。半日かけて、チュクン峰に向かって標高500mほど登り、そしてまたディンボチェのロッジに戻ってきた。天候が一瞬にして悪化、なんと雪になった。視界は20mもない。もう少し帰るのが遅かったら山の中でこの状態だったことを考えると怖くなった。コンパスを持っているとはいえ初めての場所だ。山をなめると怖い。
 次の朝、天候を心配しながら外に出ると、集落全体が朝もやに包まれている。地表から霧がわきあがっているようで、石造りの家の輪郭をぼかしさらに周りの景色に同化していた。幻想的だ。

 
朝もやで幻想的だった  
 
 
 
霧が晴れるとアマダブラムが頭上に
         
    もどる     つぎへ  
         
HOME | トリップカレンダー | ご予約方法 | お問い合わせ | プロフィール | LINK